SKPUKについて

実は身近なプログラミング

　皆さん、いきなりですが今の時代、どのようなものがコンピュータによって制御されていると思いますか？

信号機や鉄道、車など、実は身の回りのあらゆるものがコンピュータによって制御されています。

そして、そのコンピュータを制御するために、プログラムが構築されています。

つまり、私たちの生活はこのようなプログラムをはじめとした情報メディア分野の技術に支えられているのです。

プログラミング＝専門的？

　プログラミングと聞いて皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか？


多くのプログラミング未経験者は「専門的だ」「難しそう」「自分には無理だ」とイメージすると思います。

ワークショップに参加してくれたほとんどの高校生も最初は、そのようなマイナスイメージを持っていました。

そのマイナスイメージを改善するためには、やはり実際にプログラミングをやってみてプログラミングの面白さ、楽しさを知ることが必要だと思います。

しかし、プログラミングを学ぼうと思っても、高校や大学の専門学科に進学しない限り学ぶことは難しいですし、独学で学ぼうにも専門書だけではなかなか学習を進めることはできません。

プログラミングを学ぶ機会の不足によって、余計にプログラミング＝専門的というイメージが定着しているのです。
実際にプログラミングといっても様々な言語があります。2011年の段階で200個以上のプログラミング言語が存在しており、毎年のように新しいものが生まれ増え続けています。

その中には、C言語やJavaのような英語を記述するものでなく、日本語で簡単に構築することができるものもあります。

つまり、皆さんが専門的だと思っていたプログラミングも言語によっては簡単に楽しむことが出来るのです。

苦手を楽しいへ！Scratch×Kinectのワークショップ

　最近では簡単にプログラムが構築できる環境が生まれていますが、ポピュラーなJavaやC言語に比べそれらの知名度は低いです。

せっかく簡単にプログラミングが始められる環境があるのに、体験しないうちからパソコンが苦手だといって将来の進路選択から外してしまうのは非常にもったいないことです。

このような状況を改善するために私たちは、専門的や難しそうといったプログラミングに対するマイナスイメージの改善、情報メディア技術への関心を高めてもらうことを目的としてプログラミングワークショップを企画しました。


　このワークショップでは、『Scratch』という開発環境と『Kinect』を使用します。

Scratchはプログラミング初心者でも簡単にプログラムを構築することが出来る開発環境として、マサチューセッツ工科大学メディアラボが開発したものです。

プログラムの命令が短冊状のブロックで表現されており、その短冊を自由に組み合わせていくことで処理の流れを表現することが出来ます。

また、すべてのブロックが日本語で表記されています。従来の英語を使用した他のプログラミング開発環境に比べ、初心者にも抵抗なく始められる開発環境です。

Kinectはマイクロソフト社から販売されているXbox360向けのアミューズメントデバイスで、音声認識やモーションセンサー、骨格追跡の機能が備わっており、プレイヤーの位置、声、動き、顔を認識することができます。

Scratchで直感的に構築したプログラムをKinectを使って自分の体をコントローラとして動かすことでより楽しくプログラミングすることができ、より強い達成感が得られます。

また、最新技術に触れることで情報技術や最新のデバイスに興味や関心を持つきっかけにすることができます。

このワークショップではScratchとKinectを組み合わせることにより、プログラミングに対するマイナスイメージ、苦手を『楽しい』へ変えていくのです。

そして生まれたSKPUK

私たちは、企画したこのワークショップを『SKPUK』と名付けました。

Scratchの『S』、Kinectの『K』、熊本県立大学（Prefectural University of Kumamoto）の『PUK』を表しています。

平成24年度熊本県立大学後援会自主研究推進助成事業、事業名『高校生を対象にしたモーションセンサーを用いたワークショップに関する研究』として私たちのSKPUKが採択され、プロジェクトが動き始めました。

この活動を通じて高校生のプログラミングに対する苦手意識を楽しいへ変えて行く、SKPUKの目的でもあり使命でもあるのです。

参考文献・資料