密集した漁村集落における生活環境と熱・風環境
天草市牛深町(旧 牛深市)の真浦・加世浦地区を対象に,密集した漁村集落における生活環境と熱・風環境の研究を行いました。
2004年度と2005年度は,有明工業高等専門学校の加藤浩司准教授の研究室と共同で研究を行いました。2006年度から2008年度は,本学の細井昭憲准教授の研究室と共同で研究を行いました。
この研究では,毎年8月に1週間ほど,天草市牛深地区(旧 牛深市)に研究室全員で泊まり込みで赴き,調査を行いました。加世浦地区の公民館や真浦地区の公民館を拠点に,両地区をくまなく歩き回り,朝から晩まで様々な調査を行いました。加世浦地区,真浦地区の住民の皆様には大変お世話になりました。深く感謝致します。
「密集した漁村集落における生活環境と熱・風環境」に関連する成果は,下記の通りです。
著書
日本建築学会九州支部研究報告
- [8]八木綾子,辻原万規彦,細井昭憲,安浪夕佳:路地形態の違いによる集落の風環境実態把握—密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その8−,日本建築学会九州支部研究報告,第48号・2〔環境系〕,pp.445〜448,2009.3.[PDF File (940KB)]
- [7]坂田佳寿子,細井昭憲,辻原万規彦,安浪夕佳:地区内の公民館内部の通風・温熱環境−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その7−,日本建築学会九州支部研究報告,第47号・2〔環境系〕,pp.457〜460,2008.3.[PDF File (1.9MB)]
- [6]高橋あずさ,辻原万規彦,細井昭憲,安浪夕佳:集落内の路地と空き地における風の実態−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その6−,日本建築学会九州支部研究報告,第46号・2〔環境系〕,pp.449〜452,2007.3.[PDF File (312KB)]
- [5]黒田侑香,野口裕子,加藤浩司,山本美沙,辻原万規彦:集落形成の歴史と海辺の暮らしに関する聞き取り調査−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その5−,日本建築学会九州支部研究報告,第45号・3〔計画系〕,pp.625〜628,2006.3.[PDF File (900KB)]
- [4]山本美沙,辻原万規彦,加藤浩司,貞廣泰造,岡本孝美,中村泰人:集落内の路地と空き地が微気象に与える影響−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その4−,日本建築学会九州支部研究報告,第45号・2〔環境系〕,pp.457〜460,2006.3.[PDF File (484KB)]
- [3]加藤浩司,山本美沙,辻原万規彦,岡本孝美:夏季の風環境に関するアンケート調査−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その3−,日本建築学会九州支部研究報告,第45号・2〔環境系〕,pp.453〜456,2006.3.[PDF File (840KB)]
- [2]黒木勇吉,辻原万規彦,加藤浩司,岡本孝美,千住一,中村泰人:集落内部における夏季の微気象観測−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その2−,日本建築学会九州支部研究報告,第44号・2〔環境系〕,pp.349〜352,2005.3.[PDF File (392KB)]
- [1]加藤浩司,辻原万規彦,岡本孝美,千住一:路地の形成を中心とした聞き取り調査−密集した漁村集落の生活環境に関する研究 その1−,日本建築学会九州支部研究報告,第44号・3〔計画系〕,pp.541〜544,2005.3.[PDF File (380KB)]
日本建築学会大会学術講演梗概集
農山村における風土性としての局所気候
現代の居住空間は機械的な環境調整手法に頼りがちですが,地球環境問題の解決が急務となっている中で,先人の知恵を現代に応用することによって,環境への負荷が少ない居住空間を創り出すことは重要な課題であると考えられます。したがって,熊本県にも数多く見られる,自然エネルギーを有効に利用してきた集落や民家を調査・研究することによって,各地の気候風土に合致し,かつ環境への負荷の少ない居住空間を創造することができると考えられます。
そこで,他集落から隔離されながら,急斜面に展開する棚田によって,これまで生活を営んできた農山村集落である八代郡坂本村の日光集落を対象として,
1)建築環境工学の視点から棚田および集落の微気象を観測することによって,自然エネルギーの実態を明らかにし,
2)農山村計画学の視点から棚田および集落の空間構成を調査することによって,ヒューマンスケールの空間構築法の有効性と自然エネルギーの有効利用のための空間構成原理を明らかにする,
ことを目的として研究を進めています。
更に,これらの研究を総合することにより,多面的に問題の解決策を見いだそうとするものです。
この研究は,本学の中島煕八郎教授(当時)の研究室との共同研究であり,上記の2)については,中島教授の研究室が担当されました。
なお,「農山村における風土性としての局所気候」に関連して発表した論文は,下記の通りです。