OUTREACH
社会に新たな「学ぶ価値」を届ける。
私たちが取り組む教育研究から生まれた成果や、それらの活動を通して得られた知識やスキルを広く国民に公開し還元します。
アウトリーチ活動とは?
アウトリーチ(outreach)は、外へ(out)手を伸ばす(reach)という意味です。近年、さまざまな分野でアウトリーチの必要性が認識され、その内容は広がりを見せています。研究者や研究機関がその成果を広く国民に公開し還元する活動も、近年ではアウトリーチと呼ぶことが多いです。
飯村研究室では、科学技術を振興する側と享受する側との相互理解を深め、より良い社会の実現のために、このアウトリーチ活動を大切にしています。
私たちのこれまでの活動
MESHを用いた理科でのプログラミング授業実践
作って貯めた電気を効率良く使い、持続可能な社会を実現するためにはどうすれば良いか考える小学校では6年生の理科で「電気の利用」について学習します。この学習にIoTブロックであるMESHを教具として取り入れ、効率の良い電気の利用の仕方をプログラムする活動を通じて、持続可能な社会を実現するためのアイデアを考える授業を実践します。授業はワークショップ形式にて設計し、まずMESHの操作に慣れる活動行った後、試行錯誤しながらプログラムを作り、最後に考えたアイデアについて相互評価を行うようなスモールステップにて学習を進めます。児童はメンターであるゼミ生や他の児童との対話を通して試行錯誤を重ねることで、プログラミングをより身近なものと捉えることができ、児童自身の力で自分の生活をより良いものへと変えていけるような未来への希望を抱かせることもできたと考えています。
本授業実践は、平成30年(2018年)10月に熊本市、熊本大学、株式会社NTTドコモ、熊本県立大学の4者による、熊本市における教育ICT推進を目指す「教育情報化の推進に関する連携協定」に基づくものです。
特別支援学級向けプログラミング授業実践
大学生が学校現場に直接介入しプログラミングの学びの場をデザインする小学校では令和2年(2020年)にプログラミング教育が必須化となりました。しかしながら、特別支援教育でのプログラミングを取り入れた授業実践というものは不足している現状があります。そこで、プログラミングを学んでいる大学生が学校現場に直接介入し、児童とともに学ぶ環境をデザインしています。児童1名に対してメンターとしてゼミ生が1名つくことで、様々な支援のニーズに合わせたプログラミング学習を可能にしています。また、授業内容はSTEAM教育を指向し、児童のアイデアをカタチにできるものに設定します。教具は、IoTブロックであるMESHやロボティックボールであるSpheroを用いて、熊本城の絵を描いたり巨大迷路を制作したりします。楽しく主体的に児童が活動する中で、プログラミング的思考や論理的思考の習得や、様々な発達や社会性の側面においてのコミュニケーション力の育成が期待されます。
本授業実践は、平成30年(2018年)10月に熊本市、熊本大学、株式会社NTTドコモ、熊本県立大学の4者による、熊本市における教育ICT推進を目指す「教育情報化の推進に関する連携協定」に基づくものです。
熊本市教職員向けSD研修(トワイライト研修)
旧来の学びの形態に囚われない新しい学びの機会提供小学校では令和2年(2020年)にプログラミング教育が必須化となりました。しかしながら、プログラミングを学んでいない教職員が多く存在する学校現場においては、研修の必要性や授業実践事例が求められていること、大学などの外部組織との連携した研修実施の必要性が叫ばれています。この研修は、STEAM Kumamoto(旧Tech Kids Kumamoto)でのノウハウを活かし、大学生が教職員に対してプログラミングの授業活用に関する学びの場を提供するという新しい試みです。熊本市教育センターの指導主事と大学生(ゼミ生)が協働して研修内容を検討し、研修教材を作成、当日は運営とファシリテーターを担当します。また、対象とする教材は、Swift PlaygroundsやScratch Jr、Viscuitなどといった熊本市の学習環境に応じて選定しています。この試みは、従来の学校現場と逆発想の学習環境として、大学生である学生が教え手に、先生が学び手になるという、旧来の学びの形態に囚われない新しい学びのスタイルの一つと考えられます。
本研修は、平成30年(2018年)10月に熊本市、熊本大学、株式会社NTTドコモ、熊本県立大学の4者による、熊本市における教育ICT推進を目指す「教育情報化の推進に関する連携協定」に基づくものです。
STEAM Kumamoto
コンピュータ・サイエンスの学びと理解促進の機会提供STEAM Kumamoto(旧Tech Kids Kumamoto)は、コンピュータ・サイエンス教育の普及・啓発を目的として、年に2回、夏にはサマースクール、冬にはComputer Science Education Week in Kumamoto(CSEdWeek in Kumamoto)のイベントを企画・開催しています。コロナ禍ではオンラインで開催しました。当日は、Swift Playgroundsを使った1時間でプログラミングを体験する Hour of Codeという初心者向けコースや、実際にアプリ開発が体験できるコース、映像制作を体験できるコース、 MESHを使ってIoTを体験できるコースなど幅広くコンピュータ・サイエンスに触れることができます。参加した小学生の皆さんからは、「たくさん学べて楽しかった!」「他のもやってみたい!」などの声が聞かれ、その保護者の方からも「親子で楽しく学べた」「子どもたちのひらめきや成功するまで何度も挑戦する姿勢を間近で見ることができ嬉しかった」との声をいただくなど、親子でプログラミングを楽しく学ぶ機会を提供しています。
本イベントは、平成30年(2018年)10月に熊本市、熊本大学、株式会社NTTドコモ、熊本県立大学の4者による、熊本市における教育ICT推進を目指す「教育情報化の推進に関する連携協定」に基づくものです。
MISSION
教育の可能性を追求し続ける。
有教無類(ゆうきょうむるい) “For the people, there is education, there is no discrimination.” 【教え有りて類(ルイ)無し】と読みます。『論語』衛(エイ)霊公(レイコウ)篇にある言葉で、【人は教育によってどうにでもなるものであって、生まれたときから差があるわけではない】、と言う意味です。
これは、尊敬する恩師が大切にしている言葉です。恩師の教えを大切に、大学での教育研究はもちろんのこと、アウトリーチ活動を通しても教育の可能性を追求し続けていきます。