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カンボジア・インターンシップ参加報告【前田さつきさん】

「グローバルな人」に近づく一歩

熊本県立大学文学部英語英米文学科3年

前田さつき

カンボジアでインターン!?

海外インターンというだけで、「挑戦してみたい!」と心躍るのは私だけでしょうか。外国に行ったことのない人、国内インターンでは味わえない経験をしてみたい人、異文化交流や国際協力に関心のある人、どんな人にも、本大学のこの「もやいすとグローバル育成プログラム」を強くお勧めします。

本インターンは、その名通りの就業体験に留まりません。日本を離れて一ヶ月間、現地の方々はもちろん、異文化に日々囲まれながら生活するこの機会は、私自身「働き方」を学ぶ以上に「生き方」をグローバルな視点を持って学ぶことのできる機会となりました。

職場はオフィス、時々「ため池」!?

労働人口の多くを農業従事者が占めるカンボジアには雨期と乾期があり、農家は雨期に貯まるため池の雨水に依存しています。私のインターン先、シバタ工業は、人々の暮らしと社会生活を支えるゴム製品(防舷材、防水シート、安全靴等)を製造・販売する会社です。私の居たプノンペン事務所は、防水シートや天蓋シートといったゴム製品を販売しており、それらをため池に導入して、ため池の水面蒸発と地下浸水を防ぐことで雨水の貯水量と水の純度向上に貢献しています。

私は大学での専門が英米文学ですから、化学や工学の知識は有していませんでした。しかし全く違う分野だからこそ興味が湧きましたし、人々の暮らしに密接な「ため池」に関わる業務から現地の様子や生活様式を間近で学びたい、またB to Bの世界、そして日本とカンボジアの繋がりを知りたいという理由から、シバタ工業でのインターンを決意しました。

自分の「できる」を仕事に組み込もう

渡航前は、学んできたことや強みをどのように業務に活かせるのか不安でした。これから海外インターンに挑戦したい皆さんも、もしかすると同じ気持ちかもしれませんね。私は、①英語でのコミュニケーションを得意としていたこと、②大学で日本語教育の様々な授業の履修経験があったこと、この2つを何らかの形で活かしたいと考えていました。そして私はこの2つを事前に受け入れ先に相談し、実際に以下3つの業務を行いました。1つ目は同僚のカンボジア人とミャンマー人への日本語教育、2つ目は日本語及び英語で書かれた契約書や議事録の校閲と修正、3つ目はため池のドローン撮影とその動画編集でした。

受け入れ先に自分の「できる」を伝えることはもちろん大切ですが、現地入りした後の業務の中でまた新たな「できる」を探す、そしてまた相談する、この自主積極性を持つことも非常に大切だと実感しました。例えば、業務3つ目のドローン撮影とその動画編集は未経験でしたが、動画に英語字幕とナレーションを入れるということをさせていただき、自分の「できる」をここでも活かすことができました。

このプロセスを通じて自己分析ができることはもちろんですが、実際の業務にその「できる」を活かす経験ができることは何よりも嬉しいものです。皆さんにもそれを是非体験していただきたいです。

学びと成長「グローバルな人とは?」

一ヶ月カンボジアで過ごした経験は、業務上のスキル成長だけでなく、カンボジアに生きる人々の生活(衣食住や交通面)、国民性、文化、歴史を間近に学ばせてもらえるものでした。首都プノンペンを出て他州にあるため池に行けば、そこは別世界であり、ローカルな暮らしを垣間見ることができました。同僚が普段食すものと同じものを食し、話す言葉に関心を寄せ学ぶ、そして現地の人と現地語でコミュニケーションを取ってみる、これらは海外インターンだからこそできる貴重な経験です。

私は現地で「今日のチャレンジ」といって、現地のジビエや変わった食べ物に毎日一つ挑戦するということをしていました。その勇気を面白いと思ってもらえたのか同僚とはすぐに打ち解け、コミュニティに受け入れてもらえた心地がしました。また現地のクメール語を学ぶことで、英語使用の時の会話とは明らかに違い、現地の人の積極的な発話や笑顔を見ることができました。現地に関心を寄せる姿勢が現地の人々に伝わったことで、信頼と安心感を寄せてもらえたと感じています。

「グローバル人材」という語が飛び交う現代に生きる私達ですが、グローバルな人とはどんな人を指すのでしょうか?それは外国渡航の多さや英語の流暢さの良し悪しで測るものではないと私は考えます。他国と自国の差異や共通点を探そうとしたり、その差異から自国を新たな視点で見つめ直したり、相互理解し合うのにやさしい英語表現を選んだり、現地語を含めて会話したりする、そんな姿勢を日本国内外問わず持ち続けられる人だと私は考えます。私は現地のため池の実態を目の当たりにしたことで、地元熊本の水の豊かさ、それで育つ作物の実りの良さ、また日本の衛生面への国民的意識や努力を肌で感じ取ることができました。

文化背景の違う人々に対して、前述したような姿勢を見せたことで私のコミュニケーション力は大きく成長しました。また他国と自国を理解する積極的な姿勢を見せる大切さも実体験をもって学ぶことができたと同時に、また一歩「グローバルな人」へと成長できたと感じています。

現地の様子

プノンペン郊外Zoological Park周辺のローカルレストラン

タケオ州のため池での水質調査の様子

オフィスでの日本語教育の様子

MRD農村開発省の事務次官Suos Congさん(左)シバタ工業の木森さん(中央)と鼎談の様子

シェムリアップ州、ボー寺敷地内の建物とカンボジアでよく見られる花、プルメリア

世界遺産アンコール・ワットの日の出

お問い合わせ先

国際教育交流センター

FAX:096-234-6967