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【広報特集】地域に根差し 世界を視野に ~学内外で活躍する県立大生3人にインタビュー~

 「地域に生き、世界に伸びる」を実践し、学内外で活躍する県立大学生たち。その中から3人の学生を紹介します。1人目は、総合管理学科の本田研究室に所属し、日本政策学生会議の政策フォーラムで優秀政策提言賞(総合2位)をグループ受賞した光永 千紘(みつなが ちひろ)さん。2人目は、大学生英語スピーチコンテストで、ヤングケアラーの経験から「当事者の話に耳を傾けて」と訴え、準優勝した英語英米文学科の前田 さつき(まえだ さつき)さん。3人目は、地元の菊池市を中心に、多文化共生の活動に力を注ぐ英語英米文学科の中原 暁(なかはら あきら)さんです。学生自治会長を務めた賓亀 理子(ほうき みちこ)さんが、同じ学生目線でインタビュー。それぞれ活動の原動力や大学生活について語ってもらいました。

インタビュアー

総合管理学部総合管理学科4年
寳亀 理子 さん

放送コンテスト悲願の全国3位

「人のためなら努力できる」

 中学、高校と放送部に所属。高校3年時は新型コロナの影響で目標の全国大会が中止となり、不完全燃焼のまま県立大へ進学。その思いを抱えつつ、学生自治会やゼミでの出会いに大きな刺激を受け、自治会長を務めた2023年には周囲の協力のもと「新歓オリティ」を3年ぶりに復活。同年、NHK全国大学放送コンテストのアナウンス部門で悲願の3位入賞を果たした。「放送に携わってきたのは、誰かの役に立ちたいから。人のためなら努力できる」。今後も幅広い世界で、「人と関わっていきたい」。

「もっと上を目指したい」 総合管理学部総合管理学科4年 光永千紘 さん

政策フォーラムでグループ2位 学生と政治をつなぐ活動も

 受賞前から達成感はありましたが、研究を客観的に評価してもらえたことがとてもうれしかったです。

 私の実家はイ草震家で、メンバー5人とも身近に“農業”があったという共通点があり、その課題を生産者の目線で解消したいと考えました。野菜を加工するなどして収益を上げる6次産業について、効果的な取り組みを統計分析しました。

 先行研究の少ない分野なので、これは挑戦でした。農林水産省の持つ6次産業のすべての事例集を基に統計分析して、さらに農家や関係機関にヒアリング調査を行いました。メンバーと夏休みを返上して研究に没頭したことは、楽しい思い出です。

 1年生のときに先輩に誘われて、単純に楽しそうだったので参加しました。ただ、当時は政治に関心はありませんでした(笑)。最初の夏は議員インターンとして活動して、その後は運営に携わりました。全国の支部の人たちと交流したほか、イベントの設計やプレゼン、ほかのインターンの受け入れ先探しなどで大人と接する機会が多く、剌激を受けました。

県立大で世界が広がった

 私は希望の大学に合格できず、この大学に進学しました。不安や劣等感から、「このままではダメだ。もっと成長しなければ」という気持ちが強かった。根っこがすごくネガティブなんですよ(笑)。研究の結果を残せたのも、本田先生やメンバーがいたから。自分の力には満足していないので、まだまだ上を目指してがんばります。

 総合管理学部では、情報やビジネス、公共など幅広く学べます。それがいいことなのか最初は分かりませんでしたが、私は未来の選択肢が増えて世界が広がりました。ここで過ごせてよかったと、心から思っています。

 自分の力を外で試したくなりました。就職は県外ですが、いずれは熊本に戻ってきて、自治体に貢献できるコンサルティングに携わりたいと考えています。

 まさに、大学が掲げる“地域に生き、世界に伸びる”ですよね。

 楽しいと思えることを一生懸命やって、自分なりの正解をつくっていけばいいと思います。

「介護の葛藤を英語で伝える」 文学部英語英米文学科3年 前田さつき さん

スピーチコンテスト準優勝

 そうですね。環境共生学部の居住環境学専攻から文学部の英語英米文学科への転部と、ドイツ留学を経験し、大学に6年在籍しています。介護は約3年前からなので、大学生活と重なっています。祖父は転倒をきっかけに症状が一気に悪化したため、最初はとても戸惑いました。

 母子家庭で家の手伝いは普通のことでしたから、諦めるという選択はありませんでした。もちろん介護は大変で、学業に影響も出ましたが、母や祖母と補い合ってどうにか継続できました。時間の使い方を工夫できるようになった点は大きいですね。

 私は、「ヤングケアラー」という用語を教えるだけの社会に問題があると思っています。学校を休むとき、体調不良や忌引きと同じように、「家族の世話で休む」という理由も言えたら、小学生でも理解できるようになります。そうした動きがあれば、踏み込みやすくなるのでは。私自身、介護の葛藤は主に家族で話し合っていますが、もしかすると、コンテストヘの参加が家族以外の人に話すきっかけになったらと、どこかで思っていたのかもしれません。

 最初は、建築士を目指して入学しました。好きな英語は、プラスアルファで極めたいと考えていました。でも海外に出ていく人たちへの羨(うらや)ましさと、自分の可能性を諦めきれない気持ちが心から離れませんでした。

学びの翼をはためかせた

 先に英語にのめり込んだのは兄でした。私も兄も、交通遺児育英会の制度を利用して、高校の時にアメリカでホームステイしました。ホストファミリーに自分の英語が伝わったことがうれしくて、上手くなりたい一心でした。

 環境共生学部で出会ったジェフリー・モロー先生が、今年度よりセンター長を務めているグローカル棟のCIEE(国際教育交流センター)は、英語の資料や映画のDVDが揃い、入学当初からワクワクする場所でした。当時のセンター職員の方との会話を通して、留学や国際交流について多くのことを知り、さらにモチベーションが上がりました。県立大は先生や職員との距離が近いのも魅力。私はこの出会いによって、大学生活が大きく広がりました。教材もたくさんあるので、ぜひ活用してほしいです。

 授業を受けたらそこで終わりにせず、覚えて身につけること。2年間学んだ居住分野の知識が、英文学で役立つこともあるんですよ。

 この大学では、学科の垣根を越えていろいろ学べるので、「たとえ道筋が立っていなくても、悩んでいいよ」と伝えたいです。

「国籍を越えて人をつなぐ」 文学部英語英米文学科4年 中原暁 さん

人間同士の交流をアシスト

 「せかいかいぎ」という地元の菊池市に暮らす外国人と私たち日本人ボランティアが集まり、イベントの企画や地域イベントへの出店・ステージ発表などを行っています。菊池市中央図書館が開く日本語教室の放課後活動として始まったもので、私は運営リーダーを任されています。

 はい。参加者は日本語を熱心に勉強しているので、「次はこんなイベントがあるよ」という説明も、簡単な日本語で伝えれば理解し合えます。

 意外と難しいですよね。でも、外国人が日本語の勉強をがんばって、日本のコミュニティに溶け込むことに携われてうれしいです。

 「仕事や生活の悩みを話せる第三の居場所だ」という声を聞きます。国籍に関係なく、みんな個性があってユニーク。互いにつながりをたくさん持ってほしいです。私個人では、熊本市でネイティブの人も参加した英会話での交流会も行っています。

出会いと学びが夢を引き寄せた

 今もやっていますが、小中高はバレー漬けでした。ただ勉強も好きで、英語は中学のALTの先生と出会って好きになりました。

 両立というよりも、学んだことを外で試すために、学外の活動が増えたという感じです。

 起業家になりたい思いもあって、出会いと学びを繰り返しました。できることが増えると自信がつき、次につながりました。応援してくれる人の存在も大きいですね。

 エンジニアとして就職が決まり、スキルアップのために受けています。この仕事を目指したのは、語学交流アプリで知り合った人の影響です。教員免許を取らずに、プログラミングスクールのオンライン授業を半年間受けました。

 バレーで培った体力のおかげです(笑)。就職先は、東京の教育系IT企業。アウトプットの楽しさを知ったので、自主学習する学生が増えてほしいと思って選びました。

 今の課題です。若い人に地元の魅力をPRすることが解決の糸口だと、みんなで戦略を練っています。

 いずれはプログラミングのスキルを役立てて、国籍の区別なく人をつなぐ「地域交流」をしたいです。私は日本語を話せる外国の人には、語学習得努力へのリスペクトから日本語で接しています。彼らが力を発揮できる場を、引き続きつくれたらいいなと思います。

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事務局 企画調整室

FAX:096-384-6765