本学では、「地域に生き、世界に伸びる」をスローガンに掲げ、地域に根ざしながら世界を見据える人材の育成に努めています。「もやいすと育成プログラム」では、熊本の自然や文化、社会に対する理解に立ち、専門の枠を超えて、自ら課題を認識・発見し、“地域づくりのキーパーソン”として、地域の人々と協働して課題の解決に取り組む人材(もやいすと)の育成を目指します。
【もやいすとシニア育成】
もやいすとシニア育成は、2年生以上の学部生が対象の選択科目です。夏休み期間中に集中的に授業を行います。授業は全て対面でグループワークを行います。「リーダーシップと合意形成能力」「調査技法(聞き取り調査スキル・分析力)」といった地域リーダーに要求される基礎的なスキルを養成します。
令和6年度のもやいすとシニアは【能登半島地震からの創造的復興を目指して】をテーマとし、受講生10名が1班3~4人のグループとなり、8月30日~9月12日の期間で事前学習や現地でのフィールドワーク、発表会を実施しました。
<能登半島フィールドワーク>
9月2日〜6日に能登半島を訪れ、1月に発生した能登半島地震からの復興に関するフィールドワークを行いました。熊本-能登の移動日を除いた3日〜5日までの3日間能登半島に滞在しました。
3日は、災害NGO結の協力の下で能登町白丸地区を訪れました。避難所が設置されていた公民館を訪れたり、自治会長の山岸さんの案内のもと農作業を手伝ったりしました。農作業を手伝いながら、山岸さんから被災時の様子やこれまでの復旧の状況などのお話を伺いました。
4日は、能登半島の先端である珠洲市を訪れました。金沢大学・能登学舎と狼煙地区に出向き、被災直後の対応や生活についてお話を伺いました。狼煙地区では、住民の方の案内のもと解体の進んでいない家屋や隆起した海岸などを見ながらお話を伺いました。
5日は、再び災害NGO結の協力の下で能登町宇出津地区で二手に分かれてボランティア活動を行いました。酒蔵でのボランティアでは、酒粕の運び出しを行いました。もう一つのグループでは民家から家財道具の運び出しを行いました。一見、単純作業のように見えますが、どうしても被災時のことを考えたり被災前の状況を比べたりしてしまうため「ボランティアで手伝ってもらうことはありがたい」と仰っていたことが学生の印象にも残ったようです。
参加した10名の学生は、2016年の熊本地震を経験しています。熊本に戻り、それらの経験も踏まえながら、能登半島で見聞きしたことを振り返り復興のあり方などを検討する活動を行いました。それぞれ「いつも通りの生活・復興」「外部の人がいかに関わるか?」「記憶の継承」など、現地で印象に残った言葉や経験をベースに整理していました。
私たちが戻った後の能登半島では豪雨災害も発生しました。この取り組みを来年度以降も継続し、私たちにできる支援を行っていきたいと考えています。
令和6年度もやいすと育成プログラムは三菱みらい育成財団の助成により実施しています。
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