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村田晃嗣客員教授の特別講義を実施しました

令和6年(2024年)7月16日、本学客員教授で国際政治学者の村田晃嗣先生(同志社大学法学部教授)による対面特別講義「2024年アメリカ大統領選挙と国際情勢」を実施しました。

前半は、アメリカの議会制度や、選挙日にまつわる歴史的経緯、winner-takes-all方式などの選挙の仕組みなどを諸外国における選挙日(選挙の曜日)にまつわるエピソードも交えながら、改めてアメリカ大統領選挙の基本的情報について理解を深めるご説明をいただきました。

中盤には、最近多く寄せられる2つの質問について展開され、1つ目は「結局どちらの候補者が勝つのか」、これについては、「アメリカ大統領選挙は、最後の最後まで激戦で、数パーセントのラインで勝負が決まっている、選挙日までまだ4か月近くもあるこの段階で、どちらが勝つかはわかりようもない」とのことで、2つ目の「3億3千万人の国民の中は優秀な若者がたくさんいるのに、なぜ、今回は高齢者同士で戦っているのか」ということについては、「若い優秀な人たちは4年後を待っていること」をアメリカ政治の構造的背景を踏まえて御説明いただき、「2028年の大統領選挙においてはこれまでには無いほど大きな世代交代が起こる、そのために備えることは2024年の大統領選挙で大騒ぎするよりも大事である」との見解を述べられました。

後半では、アメリカの政治における議会の重要性、現在の上院下院のねじれ状況がもたらす課題、アメリカの地方分権の力強さなどについてご説明いただいた後、「アメリカでは大統領が決めたことについてアメリカ全土が全部ついていくという簡単な仕組みになっていないことを知っておかなければならない」「日本人はアメリカの大統領を選ぶ権利は無いが、4年後のアメリカでは、大統領や政治だけでなく、官僚、ジャーナリスト、学者、ビジネスリーダーたちも大きく世代交代が待っており、そのときに日本とアメリカの各業界のリーダー同士がどれだけ質の高い友情を培っていけるかが次世代の日米関係にとって大きなセーフティネットであって、我々がやらなければならないことだと思う」と強調されました。

世界的に注目を浴びるアメリカ大統領選挙について、候補者2人によるテレビ討論会やトランプ前米大統領演説の銃撃事件などが記憶に新しい中で、諸外国の背景と併せて間近に感じることが出来た特別講義となりました。

 なお、今回の対面特別講義は、全学共通科目「現代社会と政治」の1コマとして、当該科目履修者全員にオンデマンド配信されました。

お問い合わせ先

事務局 教務入試課教務班

FAX:096-383-2364