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英語英米文学科3年の前田さつきさんが IIBC大学生英語スピーチコンテストで準優勝しました【本人インタビュー】 

英語英米文学科3年生の前田さつきさんが2月に行われた一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC) 大学生英語スピーチコンテストにおいて準優勝しました。ヤングケアラーとしてのご自身の経験、そして周囲がどのように関わっていけばよいか、力強い言葉で話され、見事な成績を納めました。この受賞に関する記事が4月29日付の熊本日日新聞にも掲載されました。

英語英米文学科の学生主体の団体ELLA(英語英米文学会)委員長、千綿海大さんが前田さんにインタビューしました。  

どのようなきっかけでスピーチコンテストに応募されましたか? 

大学の掲示板を見て、応募の締め切り 2、3週間前にみつけ、締め切り当日に応募しました。 テーマが自由だったことと、これまでTOEICや英検などの資格試験を積極的に受けて来なかったので、得意としている英語を試す機会にしたいと思い応募しました。 

トピックはどのように決めましたか

2022年に留学したドイツ の経験にしようとも思ったのですが、社会問題を取り上げたいと思いました。高齢化社会は、日本にとっては大きな問題であり、自分が3年前に突然ヤングケアラーになったことから、当事者としての声ならば自分の言葉で伝えられると考え、ヤングケアラーについて話すことを決めました。 

スピーチに込めた思いを教えてください

単に辛いことをアピールをするためのスピーチではなくて、ヤングケアラーの存在を知ってもらい、周りにヤングケアラーがいたら、助けてあげてほしいというメッセージを込めたいと思いました。 

英語のスピーチを作る上での困難はありましたか? 

英語にする前に、日本語でどのような表現をしたらインパクトがあるかを考えて、それが英語にうまく変換できるかを試行錯誤しました。 

留学生や先生に添削してもらい、自分が自信を持って言える表現を探しました。特に留学生の友人キートンさんが、時間がない中で表現の模索に付き合ってくれました。発音の仕方、長い文の区切り、息継ぎをする箇所を提案してくれました。 

タイトルはこだわりを持ってつけました。タイトルのA Helping Ear「耳助け」 は造語で、A Helping Hand「手助け」から着想を得ました。タイトルを見て「どんな話だろう」と興味を持ってもらうことは聴者の関心を高めますし、スピーチを最後まで聞いて初めて意味がわかり納得してもらえます。 

英語、ドイツ語に加えて大学で中国語も学んでいますね 

3年生になると、単位が充分に取得できれば、受講する授業が少なくなっていきます。それでも図書館や「もやいすとグローバル」など、学校の施設や制度を積極的に活用したいと思っています。語学習得には、語学スクールに行くこともできますが、大学で開講されている授業を受講するのが得策だと思います。語学学習は趣味の一つですが、中国人の友人と中国語で会話できるようになりたいです。 

受賞の反響についておしえてください 

新聞を読んでくださった方などから、受賞に対する連絡がたくさん来て、大変喜んでいただきました。ただ、私がヤングケアラーであることに対する、「介護は大変ですか?」などのコメントはなく、受賞したことが話の中心になる為、スピーチ内で求めていた変化A Helping Ear 「耳助け」を起こすのは実際には難しいと感じています。 

伝えたいこと

私が伝えたかったことは、スピーチのタイトルにもある通り、A Helping Ear 「耳助け」の持つ力です。私の境遇から訴えた言葉でも、実際に変化を起こす難しさを感じています。 

ヤングケアラーは、家事や家族の世話などを日常的に行う義務ボランティア( Mandatory Volunteer)です。家族だから支えないといけない義務的な側面、 でも大事な家族だから助けてあげたいボランティア的側面、この葛藤に耳を傾けてほしいです。物理的な手助けの前に、耳助けが広まる社会になってほしいです。 

お問い合わせ先

文学部

FAX:096-383-3496