令和4年6月1日グローカル棟2階のGlobal Loungeで、Global Loungeカフェイベントを行いました。今回は、JICA海外協力隊と熊本県立大学のコラボ企画「ランチタイムに、世界に触れる。CAFÉ EVENT JICA協力隊の体験談」2回目で、大学院高度グローバル人材育成プログラム紹介に続き、モンゴル人材キャリア支援に従事するJICA専門家でモンゴル文化人類学研究者の滝口良氏のお話を聞きました。
まず、飛行機で約5時間と近い割には日本人に馴染みの薄いモンゴルという国の概要について説明がありました。多くの日本人が抱く大草原、遊牧、民族衣装といったのんびりしたイメージとは裏腹に、モンゴルは若年人口が多く勢いがあり、特に首都ウランバートルは、近年急速な発展を遂げる大都会であるという事実が紹介されました。また、国土が日本の4倍もある一方で人口は330万人足らずと世界一人口密度が低いなど、あまり知られていない情報も聞くことができました。
次に、急速な発展に伴って生じる様々な社会問題について話されました。特に人口の約半数が集中する首都ウランバートルは、インフラの改修もなく無計画に発展したことから深刻な渋滞問題を抱えており、地方からの移住が後を絶たず、テント生活者が集まるゲル地区がどんどん郊外に広がっているとのことでした。他にも、石炭を焚くことによる大気汚染、人口増加による教育環境の悪化(公立高校は3部制)、白タクの横行、地方の過疎化といった問題について説明されました。 最後に、講演者が所属しているモンゴル日本センターの紹介があり、質疑応答では、犯罪、人口集中による弊害(ゴミや水質問題)、ゲル、教育、インフラなどについて数多くの質問が寄せられました。