令和4年12月1日グローカル棟2階のGlobal Loungeで、JICAとのコラボによるカフェイベントの7回目を開催し、西アフリカのニジェールで感染症対策に従事され、現在は公衆衛生を専門に活躍中の元隊員の阿南さんにお話を伺いました。今回は、参加者と阿南さんがテーブルを囲んで会話する形式で行われました。
今回お話を伺った阿南さんは、フィラリアやマラリアに代表される疾病であるNTDs (Neglected Tropical Deseases 顧みられない熱帯病)のSDGs関連のお仕事をされていました。具体的には、ギニア虫症という糸状の寄生虫によって引き起こされる重症の寄生虫症への感染が広まったことで人々が社会生活を送れなくなり、生産力が落ち、貧困を招くことへの対策に取り組まれました。初めて聞くギニア虫症の症状や感染経路などについて説明されると、参加者から様々な質問が飛び出し、阿南さんがわかり易く説明してくれました。また、貧困や治安の悪さによって、病気の人が医療を受けられない状況が続いている現実についても教えてくれました。感染症拡大を防ぐために、ギニア虫症の患者を発見した人に賞金が贈られる制度があるという事実は非常に衝撃的で、参加者も興味津々で話に聞き入っていました。
阿南さんが現地で活動をされていた2008年頃は既に、ケニア虫症は年間3件ほどに激減しており、現在は撲滅宣言が出されているとのことでした。JICAの支援が感染症の急減に大きく貢献したようです。このように、ニジェールに派遣された初期の頃の隊員達の活躍についても詳しく説明してくれました。
ニジェールで貴重な経験をして帰国した阿南さんは、暫くの間、病院に勤務していましたが、そこで働くことの意義が見出せず悩んだそうです。同じ帰国隊員達の中には、やりたい事を求めて国外に出る人も少なくないようです。また、途上国支援を通して、自分の住む町の課題を意識するようになったとも語ってくれました。