2022年11月1日(火曜日)、本学名誉フェローであり初代理事長の蓑茂壽太郎先生(熊本市都市政策研究所長)による新熊本学「地域社会と協働」の授業が大ホールにおいて対面で行われました。対面で蓑茂名誉フェローの講義が行われるのは3年ぶりとなりました。
今回、蓑茂先生からは、「熊本のまちづくり―100年の回顧と展望―」と題して、人生百年時代の今、100年スパンでモノを考えることが重要であること、そしてこれからの100年を考えるに当たり、熊本というまちが規模の面でも環境の面でも非常に適したまちであることが述べられました。そのうえで、その過去を振り返り考察することによりこの先の未来が見えてくることなどについて説明され、過去100年間の3つの具体的なエポック(①戦前1921年の合併による大熊本市誕生、②戦災と復興、③全国で20番目の政令指定都市)に沿って、当時の様々な出来事を振り返っていきました。
そして、これまで経済成長に向かって連結20車両の一番後ろ20番目を熊本も走ってきたが、終着駅に到着し折り返し運転を余儀なくされるこれから先は、熊本が先頭車両として走らなければならないこと、そこではしくみや制度も含め、すべて再デザイン(RE-DEZIGN)が求められる時代であること、その際あらゆるモノ、コトには背景や理由がありそれを踏まえて再デザイン(RE-DEZIGN)を行うことが大切であり、過去の考察をヒントに創造的な新しい思考が発揮されることなどについて説明されました。
最後に、これからの社会を考えていくうえで大切なアイテムになり得るモノとして、市民の参加を得て多様な主体で考えること、対話が重要な要素になることなどもあげていただき、講義が終了しました。
途中、先生が所長をされている熊本市都市政策研究所における新しい施策を立案・執行していく取組の紹介なども交えながらの講義に、学生も真剣な表情で受講していました。