第27回日本生物工学会九州支部大分大会(2021)において、本学環境共生学研究科 食品バイオ工学研究室(松崎研究室) 博士後期課程3年生 河原あい さんが、【学生賞(博士の部)】を、そして、博士前期課程2年生 岡本沙樹 さんが、【学生賞(修士の部)】を受賞しました。
日本生物工学会は、1923年に設立された大阪醸造学会を前身とし、発酵・醸造の学会として設立され、現在は、発酵工学、生物化学工学、生体情報工学、環境工学、酵素工学、動物細胞工学、生体医用工学の学問領域を含み、来年には創立100周年を迎える歴史ある学会です。
詳細は以下のとおりです。
学会大会名:第27回日本生物工学会九州支部大分大会(2021)
開催日時:令和3年12月4日(土)
開催地:別府大学 食物栄養科学部(Zoomを用いた遠隔会議システムにより実施)
【学生賞(博士の部)】
受賞者名:◯河原あい(環境共生学研究科博士後期課程3年生)・松田明香里(食健康科学科4年生)・善藤威史(九州大学 准教授)・・松崎弘美(環境共生学部 教授) ◯:演者
所属:食品バイオ工学研究室(松崎研究室)
受賞課題:「Lactobacillus plantarum PUK6が生産する多成分バクテリオシン生合成における機能解析」
研究概要:バクテリオシンは、細菌が生産する抗菌性ペプチドの総称であり、食経験豊富な乳酸菌が生産するバクテリオシンは、安全性が高いことから天然の食品保存料として期待されている。熊本県の伝統的発酵食品「味噌漬け豆腐」から、バクテリオシン生産菌であるLactiplantibacillus plantarum PUK6(旧名Lactobacillus plantarum PUK6)を分離・同定し、少なくとも3種類のバクテリオシン構造遺伝子を含むバクテリオシン生合成関連遺伝子群(pln locus)を同定した。さらに、PUK6株のpln locus上に存在する機能不明遺伝子についてRT-PCRを用いた発現解析および化学合成ペプチドを用いた抗菌活性試験を行った結果、本研究によって新たな2分子ペプチドバクテリオシン遺伝子を同定した。
【受賞にあたってのコメント】
この度は、日本生物工学会九州支部大会において、優秀発表賞(博士の部)を受賞することができ、大変嬉しく思います。このような賞を頂けたのも、ご指導頂いております松崎教授や多くの先生方、研究にご協力していただいた共同研究者の方々のおかげです。また、研究を支えてくれる研究室の皆さんにも、感謝申し上げます。今回の受賞を励みとし、これからより一層研究と勉学に励み、社会に貢献できるよう努めたいと思います。(河原)
【学生賞(修士の部)】
受賞者名:◯岡本沙樹(環境共生学研究科博士前期課程2年生)・板倉真優(食健康科学科4年生)・岩永小夏(食健康科学科4年生)・河原あい(環境共生学研究科博士後期課程3年生)・田中賢二(近畿大学 教授)・田口精一(東京農業大学 教授)・松崎弘美(環境共生学部 教授) ◯:演者
所属:食品バイオ工学研究室(松崎研究室)
受賞課題:「環境調和型高性能バイオプラスチックの生合成」
研究概要:微生物が菌体内に合成・蓄積するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、生分解性プラスチックとして期待されているが、野生株が合成するPHAは一般的に物性に難があり、実用的ではない。本研究では、PHA合成能に優れたCupriavidus necatorを宿主とした組換え株を作製し、環境調和型高性能バイオプラスチックを合成することを目的とし、3-ヒドロキシブタン酸(3HB)および中鎖長3-ヒドロキシアルカン酸(3HA)ユニット(C8-C12)からなる共重合体P(3HB-co-3HA)や乳酸(LA)ユニットを含むP(LA-co-3HB)の合成に成功した。これは環境に低負荷な方法で高性能バイオプラスチックの合成を行うための実用化に向けた大きな一歩であると言える。
【受賞にあたってのコメント】
この度は、日本生物工学会という歴史ある学会の九州支部大会において、優秀発表賞(修士の部)を受賞することができ、大変嬉しく思います。このような賞を頂けたのも、日頃からご指導いただいております松崎教授をはじめ、多くの先生方のおかげです。また、研究にご協力いただいている共同研究者の方々、同じ研究室の皆さんにも感謝しております。今回の受賞を励みとし、今後も研究や勉学に励んでいきたいと思います。(岡本)