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五百旗頭真特別栄誉教授の特別講演会を開催しました

 平成31年(2019年)4月15日(月)大ホールにおいて、昨年3月まで本学の理事長でもあった五百旗頭真特別栄誉教授をお招きし、特別講演会を開催しました。
(総合管理学部1年生向け「政治学概論」講義内)

 冒頭、熊本県立大学名誉教授 松岡泰先生から、講師の説明があり、五百旗頭特別栄誉教授について、日本政治外交史が専門の第一級の研究者であり、刻々と変わっていく国際社会の中で日本がどういう位置・立場にあるのか、ということをお話してくださることから、政治学概論の最初としては一番ふさわしいものになる、という話がありました。

 続いて『平成から令和へ-三重苦の中のやさしさ』をテーマとして五百旗頭特別栄誉教授の講演が始まりました。幕末から明治、大正、そして第二次世界大戦とその後の経済成長が入る昭和の歴史を、日本と諸外国との関係から語られ、その後、受講している学生が3分の2を生きた平成の時代へと移りました。

 今回のテーマとなっている平成の中の三重苦とはいったい何か
1つ目は、バブル崩壊、不況へと続き平成のベースとなった経済
2つ目は、阪神淡路大震災から東日本大震災、そして熊本地震などの絶えず起こった大災害
3つ目は、国際関係である、と解説がありました。
 さらに、その国際関係に影響を与える要因のいくつかが日本の周辺で起こっていると指摘がありました。

 そういった中で日本社会はどうなっているのかと改めてみてみると、平成の三重苦に苛まれた時代であったが、ポピュリズムに陥らず、強権を発動する指導者も現れなかった、と話され、理由としてはっきりしているのが、日本が欧米のような移民の津波から今のところは免れている、という指摘がありました。また国民皆保険などのセーフティネットが充実しており、それは平成の時代以前から完成していることも一つの理由だと解説されました。

 最後に令和の時代がどうなるのかについて語られ、経済については、デフレはある程度脱出できたが、はっきりしない経済状態は続くということ、災害については、地震活動は未だに続き、首都直下、大都市中心の地震の危険性は残っているということ、国際関係については、イスラム過激派の力は小さくなっており、北朝鮮もそれほど心配はいらないが、超大国の2つの対立を日本が避けていくためには、平和を維持する外交・国際的役割をしっかりとやっていく必要があるということ を説明され、今日聞いているみなさんの時代は危険もあるが期待もある、ぜひ頑張っていただきたい、と締めくくられました。

 大学に入学したばかりの1年生が主な参加者でしたが、日本のこれまでの歩みと、これからの方向についての講演をしっかりと聞いていました。

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事務局 企画調整室

FAX:096-384-6765