再度、山鹿豊前街道へ 2009.9.16

KW塾の勉強の一環で、再度、山鹿豊前街道のフィールドワークを行いました。
個々人でバラバラに行動し、それぞれの視点の違いを比較することによって、
場所に内在する意味を探っていく実験計画を立てて出向きました。

豊前街道着。調査開始
人力車がゆっくりと走っている風景を見ることができました。
9月13日の熊日で紹介されて観光客のための傘を見ることができました。
この傘が視野に入ったのは津曲のみで、事実の存在は事前知識の有無にいかに影響されるか(事実の理論負荷性)を示す出来事でした。
この傘は自由に使ってよいらしく、使い終わったら別のお店の店頭においてある傘立てにおいておけばよいとのこと。傘は、観光客の手によって店々を渡り歩くことになり、観光客によってお店同士を接続していくメディアとして機能しています。のようなものでもメディアになる良い例だと思います。
なお、豊前街道で行われている「米米惣門ツアー」は観光客そのものをメディアとしてお店通しを接続するものとして機能しているように思えます。
こんなのもありました(下)。
いくつかの店頭に、プランタに植えられた稲が、稲穂をのぞかせています。きっと、 米米惣門ツアーにかかわるものではないかと思います。
再発見の調査を一通り終え、八千代座横にあるお店で昼食を摂りながらの作戦会議。
再度、調査へ。
作戦会議の際に、「地域遺伝子」概念について議論が深まり、そのことの確認が再調査の焦点となりました。
地域遺伝子の概念がクローズアップされたのは、午前中の調査の際に出会ったご老人(本田カツタロウさん)がきっかけでした。

そしてこのとき自転車で通りかかられた豊前街道の顔「井口さん」と7月以来話をすることできて、この時点でお二人から貴重な話を引き出すことができました。
自転車を降りられた井口さんは、我々が手に持っていたクリップボードに書かれた「津曲ゼミ」の文字に気付かれ、「あ〜、津曲研究室の方ですね」と笑顔で近寄ってこられました。

下の写真は井口さんと本田さんから豊前街道下町地区の家々の改修にまつわる興味深い話を聞いているところです。濃厚な「オーラル・ヒストリー」を実践することができました。
この成果は9月26日の地元情報学会の研究発表で紹介される予定です。

以下の二つは、オーラル・ヒストリーの中で見出された地域遺伝子の存在を示す写真です。

これらの写真の意味は9月26日に発表される予定です。 お楽しみに!

情報とはやはり客観的な静的なものではなく、話をする人、聞く人との相互作用によって動的に生み出されるもののようです。豊前街道の人たちと相互作用する今回のFW参加メンバーの性質が、今回の事実の「生産」に大きく影響していることは言うまでもありません。
豊前街道の現在の顔である「井口(いのくち)さん」とFW参加メンバーの「井口(いのくち)」が同姓であったことも、偶然とはいえ、今回の成果に影響したのかもしれません(?)。


地域遺伝子について集中してしまい、当初の、異なる視点の比較から場所に内在する意味を探るとの壮大な計画を遂行する時間がなくなり、これについては次の機会を待つことにしたいと思います。