学部長からのメッセージ
言語や文学には人間の心や身体性、文化、歴史が反映されています。文学部は言語と文学を通して人間の思考方法とそれを表現する方法を学ぶ学部です。その先にあるのは人間、あるいは人間と社会のあり方の本質を探求することです。
人間は捉えている同一の対象が違う見え方をしているにも関わらず同じように見ているような錯覚を持ちます。同じものを見ていても見ている人の背景(思想、文化、歴史、経験、立場など)が異なれば自ずと見え方は変わってきますが、なかなかそれに気付かないものです。
現代社会の様々な変化にまどわされることなく、特定の基準に捕らわれず多様な視点から本質を見ることを忘れない姿勢が重要です。文学部では日本語や英語を通して言語や文学ひいては文化の研究をすることで様々な視点から物事を捉える力を養成します。
このような視点から学生の一人一人がそれぞれの魅力に応じて個性を発揮し、皆が大学の中で「生きる場」を見つけ、能力を伸ばし、社会に出てからも自分の居場所を自身で開拓していけるような力を身に付けてほしいと思います。これから我々人間が作り上げていく文化のあり方を決めていくのは若き学生諸君です。
学科紹介
日本語日本文学科Department of Japanese Language & Literature
日本語日本文学科は、基本的に日本文学・日本語学・日本語教育学の3つの領域で構成され、日本の文学作品やことばの研究を通して、文化の継承性を問い、深く人間を見つめていく力を養成する学科です。日本の古代から近代に至る文学作品、古 代語から現代語までを対象に、歴史的・文化的背景をも視野に入れて、読解・分析の能力を育成するために、文学・語学とも各時代・分野をカバーできるスタッフを擁し、系統立ったカリキュラムを組んでいます。
本学科では、上記3領域の学修を基礎とした上で、卒業論文に向け、特に熊本・九州その他の地域文化を研究対象に選んだり、歴史・思想など隣接する領域と関連づけた研究や異文化との比較研究もできるようになっています。
少人数での演習や特殊研究によって学生個々の問題意識に合わせた指導が展開されることに加え、各地の方言や古典籍・近代文学資料の調査、国内外での日本語教育活動等、学外での実践的な取組が活発なことも特色の一つです。
-
目的
-
日本語日本文学科では、日本文学を学ぶことを通して我が国の文化を継承するとともに、中学校・高等学校の国語教員ならびに日本語教師といった専門的職業人として活躍できる人材、あるいは日本語と日本文学の素養をさまざまな形で社会に活かすことのできる人材を養成します。
-
取得可能な資格
-
中学校、高等学校教諭一種免許状(国語)
-
就職状況
-
民間企業や事務系の公務員、国語科教員や日本語講師が考えられます。民間企業では学科で培った問題解決能力やコミュニケーション能力を生かし、教育や出版関係をはじめ幅広い職種での活躍が期待されます。もちろん大学院への進学も可能です。
- 主な就職先
-
教育、官公庁(県)、建設業、製造業、運輸通信、卸小売り、金融保険
英語英米文学科Department of English Language & Literature
英語英米文学科は、英語を通して人間と世界を理解することを目標としています。英語によるコミュニケーション能力を高め、言語・ 文学・文化を深く理解し、国際的視野をもって活躍できる人材を養成しています。現代英語運用科目においては、2021年度からのカリキュラム改正により、CLIL:Content and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)を取り入れた「読む・書く・ 聞く・話す」の4技能の連携を図りながら批判的思考能力や問題発見解決能力を涵養する科目を導入しています。このディスカッション を中心とした少人数セミナー制の科目とレベル別、スキル別に分けた科目を1年次から4年次までバランスよく配当し、総合的な英語運用力の基盤が形成可能な形態となっています。また、学修到達の測定のため、TOEFL ITP®テストを入学時から4年次まで毎年1 度受験することで英語力の伸長を測り、英語学習へのインセンティブを高めています。CLILによって身に付けた能力を基盤に、4技 能を駆使して学問的専門領域の内容を学修し、英語での卒業論文執筆へと結実させます。
卒論履修分野として「英語学」「英文学」「米文学」「英語教育」「人文学」の5分野が開かれています。英語学では英語の構造や意味を論理的かつ体系的に分析したり、英語母語話者の認知の仕方に基づく表現の特徴を分析したりします。英文学・米文学においては、作家や作品、批評理論だけでなく、文化、歴史、社会思想についても考察します。英語教育では英語を教えるための方法論や英語の効果的な学習法などを学ぶことができます。また併せて日本語教育(副専攻)を履修することも出来ます。
-
目的
-
英語英米文学科では、英語による高度なコミュニケーション能力を身につけ、英語学、英文学、米文学、英語教育の専門的な知識を備えた、中学校・高等学校の英語教員といった専門的職業人や広い知識と国際感覚をもって社会で活躍することのできる人材を養成します。
-
取得可能な資格
-
中学校、高等学校教諭一種免許状(英語)
-
就職状況
-
英語運用能力を生かし、中学校・高等学校の教員や外資系企業、旅行代理店、航空会社、ホテルなどのサービス業のほか、様々な分野での活躍が期待されます。通訳や翻訳の仕事に進むことができます。もちろん大学院への進学も可能です。
- 主な就職先
-
官公庁(県)、建設業、製造業、運輸通信、卸小売り、金融保険医療・福祉、サービス
カリキュラム(教育課程)
共通教育 | 「全学共通教育」ページへ |
---|---|
専門教育 | |
【教育課程編成・実施の方針】
|
|
進級要件 卒業要件 |
文学部4年間の学び
4年間を通じて、文学・言語を中心とした人文学の基礎的知識を身につけ、併せて全学共通科目及び学部共通科目により総合的 な素養を身につけることで、幅広い知見と判断力を養い、広く多角的に物事をとらえ思考できるよう、両学科ともカリキュラムを編成し ています。
文学部の「専門科目群」は、「人文基礎」、「主要科目」、「学部共通科目」、「演習」、「特殊研究」、「卒業論文」から構成されます。 1・2年次では、両学科の学生が「人文基礎」や「学部共通科目」群の科目で、「主要分野」や「人文学」を支える基盤的知識を身につけます。同時に、1年次から4年次にかけて、順次「主要科目」、「学部共通科目」、「演習」、「特殊研究」というように、知識、方法論、 読解技能、並びに発表技術を積み上げ、学士課程の最終成果である「卒業論文」を執筆します。
※演習は日本語日本文学科では2年次から、英語英米文学科では3年次から開講 ※特殊研究は日本語日本文学科では3年次から、英語英米学科では4年次から開講